リード文
この記事は、TechAsset運営者の投資遍歴を時系列で全て公開する、サイトで最も「個人的」な記事です。
暗号資産9年、19取引所、マイニング総投資2,353万円、最終損益マイナス1,120万円。
なぜ1,120万円の赤字を出した人間が、投資サイトを運営しているのか?
この疑問に正面から答えます。結論は、失敗した人間にしか書けない記事があるからです。
目次(自動生成)
1. 始まり|2017年・暗号資産との出会い
2017年後半、ビットコインの急騰がニュースで毎日のように流れていました。
「テクノロジーで世界が変わる」——ブロックチェーンという技術に純粋に惹かれたのが最初です。投機目的ではなく、分散型ネットワークの思想に共感した。これが始まりでした。
最初の口座開設はCoincheck。本人確認に数日かかり、その間もBTC価格は毎日上がり続けていた。口座が開設された時の焦りは今でも覚えています。
この時の資産状況
- 暗号資産: 数十万円
- 投資信託: なし
- 生活防衛資金: 意識なし
今振り返ると、生活防衛資金もなく投資を始めたことが最初の間違いでした。
2. 熱狂|2017年末〜2018年初・マイニング参入
BTCが200万円を突破した2017年12月。私は暗号資産の売買だけでなく、マイニングという「自分で掘る」行為に強烈に惹かれました。
「買うだけでなく、自分の手で生み出せる」 ——この魅力に抗えなかった。
最初のASIC(Antminer D3)を購入。約20万円。届いた時の興奮と、電源を入れた時の爆音は今でも鮮烈に記憶しています。
そこからGPUリグの構築に没頭。数週間で10台、20台と増え、2018年には50台を超える規模に。
この時の心理
「もっと台数を増やせば、もっと掘れる」。この考えが全ての失敗の原因でした。機材を増やすたびに電気代が増え、増えた電気代を上回る収益を期待してさらに機材を追加する。典型的なスケール幻想に取り憑かれていました。
3. 暗転|2018年〜2019年・冬の時代を全力マイニングで直面
2018年1月のコインチェック事件、その後の相場崩壊。BTCは220万円→35万円。
普通の投資家なら含み損を抱えて嘆くだけですが、マイナーは違います。毎月15万円の電気代が、相場が下がっても止まらない。
掘ったコインの価値は暴落しているのに、固定費は変わらない。収益は「変動」、コストは「固定」。この非対称性がマイニングの構造的弱点であることを、身銭で学びました。
この時の心理
「ここで辞めたら、今までの投資が全部無駄になる」 ——サンクコストの罠に完全にハマっていました。合理的な判断は「即座に全機停止して撤退」でしたが、「もう少し待てば相場が回復する」という希望に縋り続けました。
数字で見る現実
- 月間電気代: 12〜15万円
- 月間マイニング収益: 数万円
- 月間赤字: 数万〜10万円
- これが約1年以上続いた
4. 回復と停滞|2020年〜2021年・一瞬の黒字
2020年後半からBTCが回復し、2021年にはマイニングの月間収益が電気代を上回りました。
最盛期で月間純利益約9万円。ただし、機材の減価償却を含めると実質利益は微々たるもの。
「ようやく回収フェーズに入った」と思いましたが、冷静に計算すると2,353万円の初期投資を回収するには20年以上必要な計算でした。
この時に学んだこと
投資判断は「プラスかマイナスか」ではなく「機会費用」で考えるべき。
同じ2,353万円でBTCを直接購入していたら?2017年に2,353万円分のBTCを買い、2021年まで保有していたら数倍のリターンになっていました。マイニングで得た利益は、「やらなかった場合」と比較すると大幅なマイナスです。
5. 撤退|2022年・5年間の区切り
2022年、ETHのPoS移行でGPUマイニングの最大収益源が消滅。BTC Difficultyの上昇でASICの採算も限界。
「トントン」の状態が数ヶ月続き、ついに撤退を決断しました。
撤退時の最終損益
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 機材購入総額 | 約2,353万円 |
| マイニング収益(5年累計) | 非公開(但し投資額を大幅に下回る) |
| 電気代(5年累計) | 推定700〜900万円 |
| 機材売却益 | 一部回収(AIブームでGPU高値売却) |
| 最終損益 | 約マイナス1,120万円 |
GPUをAIブームの最中に売却できたのは不幸中の幸いでした。特にRTX 3080は購入時より高い価格で売れたケースもあり、GPUの「出口」がマイニング以外にあることの重要性を実感しました。
6. 再構築|2022年〜現在・失敗から学んだ資産形成
マイニング撤退後、投資そのものをゼロから再設計しました。
変えたこと
① ポートフォリオ分散を徹底
「一つの手法に全額集中」は二度としない。新NISA・BTC現物・現金の3本柱に分散。
② インデックス投資を資産形成の土台に
テクノロジーへの関心は変わりませんが、土台は地味なインデックス投信。S&P500のつみたてを最優先に設定しました。
③ 仮想通貨は「現物・長期・少額積立」に限定
マイニングではなく、Coincheckつみたてでの自動BTC積立に切り替え。感情を排除し、ドルコスト平均法で淡々と積み上げる戦略に。
④ 情報発信を開始
9年間の経験を記事にまとめ、同じ失敗をする人を一人でも減らすことを目的にTechAssetを立ち上げました。
7. なぜ1,120万円の赤字を公開するのか
理由①: 失敗を隠すサイトは信用できない
投資サイトの多くは成功談や推奨情報ばかりを掲載します。しかし読者にとって本当に価値があるのは、「何が失敗で、なぜ失敗したのか」の具体的な情報です。
理由②: 1,120万円分の教訓がある
この赤字から得た教訓は、どのビジネス書よりも実践的です。ポートフォリオ分散の重要性、サンクコストの罠、固定費と変動収入の非対称性——全て身銭で学びました。
理由③: 失敗した人間にしか書けない記事がある
「マイニングは儲からない」と数字で証明できるのは、実際に2,353万円を投じた人間だけです。「やったことがないけど理論的に非推奨」と「2,353万円投じて1,120万円失った結論として非推奨」では、読者への説得力が全く違います。
8. 読者へのメッセージ
これから投資を始める方へ
まず新NISAのつみたてから始めてください。 テクノロジーへの投資はその後で十分。私のように「面白そうだから全力投入」をすると、高い確率で痛い目に遭います。
仮想通貨に興味がある方へ
BTC現物を少額からドルコスト平均法で積立てください。 マイニングも海外取引所もレバレッジも、最初は不要。「BTC現物・長期・自動積立」だけで十分です。
既に失敗して落ち込んでいる方へ
1,120万円失った人間がここにいます。 それでも投資を続けています。失敗は「終わり」ではなく「学費」です。大事なのは同じ失敗を繰り返さないこと。この記事が、そのための一助になれば本望です。
9. まとめ|テクノロジーは手段、目的は自由
TechAssetのテーマは「テクノロジーで資産を築く」。
このテーマを掲げる資格があるのかと問われれば、正直、胸を張れる実績はありません。1,120万円の赤字は事実です。
しかし、9年間の経験・失敗・教訓の全てを、誰よりも具体的に語れるという自負はあります。
成功者のアドバイスは華やかです。しかし失敗者のアドバイスは、あなたの資産を守ります。
このサイトの全ての記事は、1,120万円の授業料から生まれた「実践の知恵」です。
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